独書は毒っしょ

読書の記録

独書日記31〜『後藤さんのこと』円城塔〜

おはようございます、うどくです。

11月になりましたがいかがお過ごしでしょうか。

時の流れる速さに辟易しながら何とかその事実から目を逸らそうとしてきましたが、寒さがそれを許さない季節になってきました、、

 

今回読んだ本は円城塔『後藤さんのこと』です。

よく見るYouTuberさんが紹介していたので気になっていた本です。

これまで読んだ本の『虐殺器官』『ハーモニー』の著者、伊藤計劃の遺作である『屍者の帝国』を円城塔が書き継いで完成させたなんてつながりがあります。

 

 

 

それでは感想パートです!

 

 

 

最近は本のあらすじだったり概要を紹介するようにしていたのですが、この『後藤さんのこと』についてそのような紹介をすることは私にはできません、、

『後藤さんのこと』は題名の通り「後藤さん」についての考察がなされる作品になっています。

いったい何のことだかさっぱりわからないと思ったそこのあなた!きっと読んだとしてもよくわからないと思います。

 

この作品では「後藤さん」についての考察がいろいろなされますが、読み進めれば進めるほど「後藤さん」が何だかわからなくなります。

「後藤さん」は粒子かもしれないし、波かもしれない、はたまた新エネルギー資源かもしれない、そんなよくわからない存在なのです。

 

繰り返しますが、おそらく何度この作品を読んだと「後藤さん」が何かどころか、この作品が何を伝えようとしているのかもわからないかもしれません。

じゃあ、何でそんな本を読むのか、

それは一度読み始めてしまうと不思議とページを進めてしまう不思議な魅力がそこにはあるのです。

喩えるなら、YouTubeで理解もできない難しい数学の問題の解説や途方もない宇宙の謎についての動画を不意に見てしまう感覚に似ています。

論理はあるのかもしれないけど、果たして本当なのかどうかもわからないまま何の気なしに目で文字を追い、耳を傾けてしまうあの感覚です。

そんな楽しさがここにはあるのです。

 

 

 

こんな本を読んで考えたことを一つ

最近意識していることがありまして、それが「理解できない=つまらない」の考えを止めるということなんです。

本を読む中で「合わないなー、つまらないかも」と思うことは往々にありますし、テレビやYouTubeを見ていても同じように思うことはあります。

これってすごく勿体無いことだし、時に失礼なことだと思うようになったんです。

 

今年のキングオブコントジャルジャルが優勝したんですけど、それのネタがつまらないって言う意見がTwitterで流れて来たんですね。

それで自分で見てみたんですけど、自分にもあまりハマらなくて、これが優勝かーとか思ってたんです。

そうした時に、これがふと何でこれが優勝したんだろうって疑問に変わりまして、

と言うのも、これを審査してるのって自分よりお笑いに精通している人じゃないですか

ということは自分のセンスが足りてないんじゃないかと思ったんですよ。

テレビやYouTubeって怖いなあと思いましたね、いつの間にか見ているだけの立場の自分が評価する立場にあると思い込んでしまうなんて。

(そういう面が大事になることもありますが、

 

こうやって「理解できない=つまらない」の考えをやめようと思うに至ったんです。

これから少し発展して、自分が嫌いだと思っていたものを見直そうと思うようにもなりました。

「物事を好きか嫌いかでしか判断できない人は、語彙が貧弱なだけだ」とひろゆきが言っていて、その通りだなと思ったんです。

嫌いだと思っていたものも、掘り下げて行ったらそのものの一部だけが苦手なだけなんてことがあるかもしれません。

果たしてそれは「嫌い」何でしょうかね?

嫌いなものより好きなものの多い人生の方が楽しい気がします。

 

 

『後藤さんのこと』は不思議な本ですが、とても魅力的な本です。

表題作の他にも5作品収録されています。気になった方はぜひ手に取ってみてください。

 

 

 

今回の感想はこんな感じです。

あまりブログが書けていないですが、いろいろ併読はしているのでいずれ感想を書けて行けたらと思っています。

バイトを始めたり、たまーに対面の授業はあったりするのですが、主に書けていいない原因はポケモンにあるので自重しなければと思っています。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました😊次回も読んでいただけると嬉しいです。