独書は毒っしょ

読書の記録

独書日記38〜『時をかける少女』筒井康隆〜

あけましておめでとうございます、うどくです。

2021年もよろしくお願いします。

皆さんはどんな年末年始を過ごしましたか?

私はシバターが出るということで久しぶりにテレビをつけてRIZINを見ました。

試合の内容も面白く、ずっと見てきたシバター の勇姿に感動しました😭

(気になる人はYouTubeに上がってるので是非)

3ヶ日はほとんど寝てたら終わってましたね。

そして今日から授業ということで、あっという間の正月休みは終わってしまいました。

 

 

 

今回読んだ本は筒井康隆時をかける少女です。

細田守監督によって映画化もされており、そちらの方が有名で原作が筒井康隆であったと知らない人も多いのではないでしょうか。

今日の1限のドイツ語の授業で原作が小説の日本の映画を紹介しなければならないということで、原作を読むことにした次第です。

(映画は昨日の夜に見ました。)

映画も原作もどちらも一度見たことがあったのですが、今回改めて見てみると結構設定が違っていて違った魅力がありました。

 

 

 

 

 以下内容の紹介と感想になっています。

(映画も含めてがっつりネタバレしてるので気になる人は注意してください

 

 

 

あらすじ

誰もいないはずの放課後の理科室で、ガラスの割れる音とラベンダーの香りを感じて気を失ってしまう芳山和子。その後彼女で周りでは時間にまつわる不思議な出来事が起き始めて、、

 

映画版と違ったところを中心に紹介していきたいと思います。

 

登場人物

 原作は主人公の芳山和子、すらっとした深町一夫、ずんぐりむっくりの朝倉吾郎の3人組。

映画では主人公の紺野真琴、喧嘩早い部分はあるが数学だけできる間宮千昭、がっつりした風貌で医学部を目指す津田功介の3人組。

原作は登場人物は中3でしたが、映画では高3になってました。

 

タイムリープ

原作では和子はあまりタイムリープは使いこなせませんでした。

最初にタイムリープしたのはトラックに轢かれそうになった時で、その後自分の不思議な能力に怯えてしまいます。

友人や理科の先生に相談し、引き金となった理科室の事件までタイムリープしようとするのですが、その引き金も鉄骨が落下してくるという危険な状況でした。

映画版の真琴はタイムリープを上手く使いこなしていたと思います。

最初のタイムリープこそ電車に轢かれそうになるという原作と似た状況ですが、その後は長くカラオケにいるためにタイムリープしたり、自分のミスをなかったことにしたりと思うがままにタイムリープを使っていました。

タイムリープに使うものも原作版ではラベンダーの香りのする薬品、映画版ではくるみ型の何かでした。

 

未来について

原作では一夫がタイムリープしてきたのは2660年であることが明かされています。

そこでは科学技術が進歩しすぎた結果、子どもの教育にかかる期間があまりに伸びすぎてしまったために催眠学習技術が進歩し導入されたなどが語られます。

(ちなみに地球でない惑星への移住も進んでいるようです)

そのため一夫は実は11歳でありながら、大学教授と同等の知識があり、タイムリープの薬品を開発する過程のミスで未来へ帰れなくなったのだと明かされます。

未来に帰る際には、関わった人との記憶を消さなければならないという決まりもあるようです。

映画版では未来についてあまり明らかにされません。

ただ千昭の

「川が地面を流れてるのを初めて見た。自転車に初めて乗った。空がこんなに広いことを初めて知った。なにより、こんなに人がたくさんいる所を初めて見た。」

という言葉から戦争か何かで地球が酷く荒廃してしまったのではないかと考えることもできます。

過去にきた動機も見たい絵があったということでした 。

未来へ帰る際にも、関わった人の記憶は消さなくていいようで、急遽留学するという形で姿を消すことになりました。

 

原作と映画版のつながりとしては、和子が真琴のおばとして登場しており、タイムリープについての相談相手になっていました。

 

原作はSF感が強い作品でしたが、映画版は青春要素が強まった気がしました。

タイムリープ能力に怯える和子に対して、最初は何も考えずタイムリープを楽しんでいましたが、繰り返す中で内面が変化していく真琴の対比は設定の上での年齢の違いが生きている部分ではないかと思いました。

どちらも未来から来た人物に好意を伝えられるものの、未来に戻るために離れ離れにならなければならないところも重なります。

ただ記憶が消されてしまうのと、いつかわからない未来までその人と出会うのを待ち続けるのと違った切なさがあると思いました。

 

映画しか見たことない人も、原作は100ページちょっとしかなく1時間もかからずに読めるので是非読んでもらえたらと思います。

時をかける少女』を二度楽しめると思います。

 

 

 

今回はこんな感じです。

2020年のうちに何冊か読んでいた本があるのですが、内容的な意味でも、新年に読んだ本を紹介したかったという意味でもこの本を今回は紹介しました。

前に読んだ本も面白かったのでどこかでまとめて紹介したいと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます😊

次回も楽しみにしてもらえると嬉しいです。