独書日記40〜『生成不純文学』木下古栗〜
お久しぶりです、うどくです。
先日ブログをもう一ヶ月も書いてないぞとの通知がきて、そろそろ書くかと思ってからさらに数日たってようやく今に至っています。
怠惰ですね。
皆さんはどんな毎日を送っていますか?
私は長いこと休憩をとっていたのでそろそろ動き出そうかと思っているところです。
と言っても特段新しいことを始めるわけでもなく、積読の消費とドイツ語の勉強をしなきゃと言ったくらいなのですが、、
今回読んだ本は木下古栗の『生成不純文学』です。
この本は
apps.apple.com このアプリで知って読むことにした本です。
アプリを使っている人同士ですれ違うとその人のおすすめの本がタイムラインに表示されるというもので、なかなか面白いアプリだと個人的に思っています。
本が好きな人なら入れておいて損はないアプリでおすすめです!
以下本の概要紹介と感想のパートです。
この本は表題作含め4作が収録された短編集となっています。
どの短編も丁寧な文体で荒唐無稽な物語が綴られているというなんとも奇妙な本になっています。
ここでは特に印象に残っている2作を紹介したいと思います。
(かなり下品な内容も含まれるので注意してください)
『虹色ノート』
この作品はロシア人宇宙飛行士が日本のOLに思いを馳せているシーンからスタートします。
その後あるOLに視点が変わり、彼女は昼休みに弁当を食べに行った公園であるノートを見つけるのです。
そのノートの内容は、ある男性が食べたものの色がそのまま便の色に反映される体質の男性の便の色を弁当を振舞うことで染め上げていく話が綴られたものでした。
そして最終的には、OLの女性がこのノートを読んで長年の便秘を解消して話が終わります。
訳のわからない話だと思うかもしれませんが、実際に読んでみると頭を空っぽにできるし、何だか笑けてくるしで結構好きな作品でした。
『生成不純文学』
表題作ですが、こちらもなかなか不思議な話になっています。
この作品は、文豪の《お別れ会》の会場から駅までの道を編集者三人が歩く場面で始まり、その場面で終わります。
その道程で編集者が文豪との打ち合わせを想起するのですが、その回想が何度も繰り返されます。
例えば、編集者が文豪の首を絞め殺して逃げたのちに「殺人芥川賞」を受賞したり、
文豪のプチトマト文学論を聞いたのちに、プチトマトを貪り食べたりなど、よくわからない回想が続きます。
「これは…もしかして、中身がないんじゃないでないでしょうか」
「いや、そんなことはないだろう。取っ付きにくいというか、とにかく重厚で硬くて、おまけに堅牢なんだよ、だから中身を露出させるに至らないんだ。……」
これは作中の一文ですが、この本全体を表しているような気がしました。
こちらの作品の突拍子のない展開ばかりで笑えてきました。
他の2作品も(似たような感じで)面白かったです。何も考えたくない時に読むといい本かと思います。
今回は短めですが、このくらいで終わりです。
何とか1年やってきましたが、来年度も失踪せずにブログを続けて行きたいなあと思っているところです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます😊
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。