独書は毒っしょ

読書の記録

独書日記21〜『闇の奥』コンラッド〜

おはようございます!うどくです

6月に読んだ本は前回までで終わりで今回からは7月に読んだ本になっています。

レポートなどやならければいけないこともそこそこあるのですが、こういう時ほど本を読んでしまいます、、(現実逃避)

 

今回読んだ本はコンラッド『闇の奥』です。

この本は19から20世紀の移り変わりの時期に書かれたもので、著者コンラッドポーランド系イギリス人です。(今回は苦手な海外作品を読む練習ですね

読もうと思ったのはPSYCHO-PASSの一期のどっかの場面で狡噛が読んでいたということで気になっていた一冊でした。(PSYCHO-PASSはおすすめです!特に一期!!

 

 

それでは感想パートです。

 

 

 

この本の大まかなあらすじとしては船乗りのマーロウの一人称によって彼がアフリカの最奥部の貿易会社の出張部を預かるクルツという人物の救出に向かう作品となっています。

その中でマーロウの視点から、当時の西洋人が人の手が及んでいないアフリカに訪れ、そこで原住民や自然に邂逅したときの心情が描かれています。そこには主に原住民への差別的見方や大自然への畏怖がありましたね。(文字の上でしか知らない黒人蔑視の一端を生々しく感じることができます)

 

また、クルツという人物像の変化も話の筋の中では大きな意味を持っていたと思いました。

最初は貿易会社の幹部候補の一人として優れたものとしてマーロウは話を聞きますが、彼の元を目指す中で或いは彼に出会ったとき、優秀な人としての人物像は瓦解します。実際の彼は私欲に溺れ象牙を手に入れることに囚われているのでした。

クルツが死際に口にした「地獄だ!地獄だ!」という言葉は荒切ってしまった一人の人間を見出すこともできるのではないかと思います。

 

印象的な場面もありました。(以下の文は抜粋ではないです)

文明からかけ離れた大地で生きる人々を「解放された自由な怪物」と形容するマーロウ。しかし。彼は自身もまた原住民たちと同じ人間であることに強く疑問を感じるのであった。そして、彼は本当の人間としてその真実を認めるには信仰が必要なのだと信念を得た。

西洋人の蔑視が端的に現れているシーンです。文明の柵の外にいる彼らと自分たちをつなぐには信仰が必要というのは、アメリカ大陸支配の際に原住民に救済としてキリスト教化を強いた論理とは逆ではありますが、根本としては同じ考えが通底していると思いました。しかし、信仰の強制は十分な暴力だと思うのですが、、

 

最後に本の題名にもなっている闇の奥というという言葉ですが、これはいろいろな含蓄があると思いました。アフリカの森林の奥地を目指す上での「闇の奥」や人間に備わっている負の部分としての「闇の奥」、或いは人種差別的な観点や西洋文明の負の面にもこの言葉が意味を持つのかもしれません。

 

なんだかわかったように色々話してきましたが、この本は結構難解でようわからんなあと思いながら読んでた部分が多かったですね。難しそうなので後書き読んで本文に行ったのですが、それでも、、という感じでした。まだまだ精進ですね。

 

 

今回の感想はこんなもんです。

文学作品というのを「読める」ようになるにはどのくらい時間がかかるのでしょうか。いつまでもストーリーを追うに終わっている自分を卒業したいものです、

今回もここまで読んでいただきありがとうございました😊最後は一言一人暮らし日記です。

 

一言一人暮らし日記:ゴミ出し忘れは大誤算