独書は毒っしょ

読書の記録

独書日記4〜『痴人の愛』谷崎潤一郎〜

 おはよございます!すっかり昼夜が逆転してしまっているうどくです。

 

 昨今の事情により大学は依然として始まらず一人暮らしのため自分を律するものがこのブログくらいしかなく、早くもそれすらも疎かになり始めてしまっています。(誰か律してくれる人がいないとダメなのかもしれません

  

自分語りが過ぎましたね、、本題に移っていきましょう!

 今回の本は谷崎潤一郎痴人の愛です!これは知人の愛読書と言うことで結構読むのを楽しみにしていた一冊ですね。他の谷崎潤一郎の作品として『陰翳礼讃』は高校の授業で触れたことがありクセが強かった印象があったので今回も多少身構えている部分もありました。

 

 

それではここから感想パートに行きましょう!


 

 この作品は主人公の男性が半ば一目惚れのように惚れ込んだ少女を自分の理想の女性にして伴侶にしようと目論んで自分のもとに置いて育て上げていくと言ったとこから始まっていく訳ですが、こんなことするのはてっきり光源氏だけかと思っていたので驚きでした。(しかも舞台も近代日本であったので尚更)そうすると二人の間柄もやはり普通とはではなく奇妙とも言える関係が築かれていく訳ですが『潮騒』で描かれていた純愛とはまた違った一つの愛の形に魅せられましたね。

 

  当然こんな経験をしたことはありませんが主人公の考えには度々共感する部分があったりまた自分の中にあった言語化できなかった心理状況を眼前に示してもらったという感じでした。

特筆するなら

 

「よく世間では『女が男を欺す』と云います。しかし私の経験によると、此れは決して最初から『欺す』のではありません。最初は男が自ら進んで『欺される』のを喜ぶのです、惚れた女が出来てみると、彼女の云うことが噓であろうと真実であろうと、男の耳には総べて可愛い。」

 

の一節。(この作品はマゾヒズム文学などと言われますが)男なら誰でも一度はあるのではないか或いは理解に苦しまないだろう心の動きを完璧と言ってもいいほどに見事に言葉で表わされており共感感激の雨霰日照り砂嵐デルタストリームでございました。個人的にはこの一節がこの物語全体に通底していてストーリー展開にも大きく影響していたんじゃないかとも思ったりしてます。こう言ったことは現実でも多いんじゃないかなあ(小並感)

 

 また、私としてはテーマだけでなくストーリ展開も自分が予期していたものとは大きく異なり飽くことなく楽しむことができました。いい意味でも悪い意味でも変わっていく二人とその間柄は単に物語として楽しめるだけではなく一種の自身への戒めのようなものも覚えいろいろなことを考える機会になったりと読むことだけに止まらない楽しさもあったんじゃないかと。あとは一切の読みが男性目線であったため女性の目にはどう写るものなのかも気になったりしますね。とても満足の一冊でした!

 

 こんなところが今回の感想ですね。私は感想を書く際に話の展開には極力触れずネタバレをしないように心がけているのですが感想を読んでいる側としてはいかがでしょうか?伝えない事で感想がボヤッとしたものとして伝わっているんじゃないかなあとも思うんですがどっちがいいんでしょうね、、(まあ、たいして上手に話の展開もまとめられる気はしないんですが、、)そこら辺はこれから模索していけたらなあと思ってます。今日もここまで読んでいただきありがとうございました😊最後は一言一人暮らし日記です!

 

一言一人暮らし日記:餃子を仰山食べたいここ数日。

 

これは途中で出て来た『潮騒』の感想も書いたりしてるのでまだ見てないよーって人は是非

 

udoku-1323.hatenablog.com