独書日記15〜『読んでない本について堂々と語る方法』ピエール・バイヤール〜
こんにちは!うどくです。
今日で5月も終わりで時の流れの速さに驚いています。(今月はいろいろなことに慣れてだれてしまった怠惰な一月でした、)
今回読んだ本はピエール・バイヤールの『読んでいない本について堂々と語る方法』です。題名に圧倒的に惹かれました。話の中で読んだことのない本について触れられている時がなかなかあるかと思います。そんな時のやり過ごし方を知りたいなあと思い読もうと思ったところでございます。
それでは感想パートへいきましょう。
この本は題名の通り読んだことのない本について堂々と語る方法について論じられているのですが、細かいシチュエーションに場合分けされて説明されています。中でも面白かった部分について触れていこうと思います。
まず最初に語られていたのは「本を読んでいない」とはどういうことなのでしょうかと言う問題です。そんなこと言葉の通り本を読んでないと言うことじゃないかと思うかもしれませんが考えようによってはそうではないのです。「本を読んだ」という状態を本を全て読んでその内容を知っているとするならば、流し読み、人から本の内容を聞いた、本を読んだが内容を忘れてしまった本も「読んだ」ことにはならないのです。逆に本を一語一句見落とさずに読みその内容も覚えているという状態は考えにくいので、「本を読む」ことはできない?ともいう気になります。「読む」ということについて考えるのはなかなか示唆に富んでいて面白いですね。
また、本とは何かということにも触れられています。本は一冊で完結しているものと思われているかもしれませんが、そうではないという考えが述べられているのです。本はあくまで本同士の関係性の中で初めて成り立つものとされています。本を1冊で完結するものとして考えて読むと、その著者の考えに大きく影響を受けてしまい批判的に読めなくなってしまう恐れがあるとして、その本の内容が他の本とどのような関係にあるかという観点から読むことが大事だというのです。こう考えると、逆に幅広い知識さえあれば本の内容の一部を知ることができれば、その本について語ることができるというのが一つの方法なのです。
他にも細分化された状況の中での本について語る方法について述べられているため、その全てはここで紹介できませんが、興味持ってもらえたら読んでもらえるとありがたいです。読んでない本について語るという面白い観点から、本そのものや読むということがどういうことかについて論じられていてなかなか興味深い一冊でした。
今回は感想というか評論的な文章だったので感想というか本の内容の一部に触れておしまいみたいな感じになってしまい、小説について書くのとは違って難しいなあと思いました。でも、たまにはこういう本を読むのも面白かったです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました😊最後は一言一人暮らし日記です。
一言一人暮らし日記:マックから帰り道は真っ暗だった、