独書は毒っしょ

読書の記録

独書日記11〜『虐殺器官』伊藤計劃〜

 おはようございます!

 何か趣味を発掘したいなあと思っているうどくです。何かを始めるにはそこそこ時間があるのですが、家から出れないということを考慮すると微妙なのかとも思いますが、、

 

 今日読んだ本は伊藤計劃虐殺器官です。伊藤計劃を知ったのはサイコパスの二期を見ていた時に彼の作品がアニメ化されるとのCMを見た時ですかね。話はそれますが、サイコパスというアニメは面白いのでおすすめなのでぜひ見てみてください。(今ならAmazonプライムで1期から3期まで全部見れます)

 

 それでは話を戻して、感想パートいきましょう!

 

 

 この本の面白いところは物語の設定にあって、それが一見荒唐無稽に思われるかもしれない世界観なんですが単にフィクション虚構と一蹴できないところにあります。舞台はムスリム原理主義の手作り核爆弾によってサラエボが消失し、テロとの戦いが大きな問題として顕在化した近未来で、主人公はアメリカ情報軍の大尉で国の要人の暗殺を行なっています。この世界では一般市民は高度に発達した情報社会の中でプライバシーと引き換えにテロから保護されて自由に生活できていて、一方で先進国がビジネスとして戦争を起こしています。私たちの世界がそうなってもおかしくないと思わせられるリアルさが潜んでいて、病みつきになってしまします。

 もう一つ奇抜な設定があって、それは題名にもなっている虐殺器官というものが人に備わっているというものです。虐殺器官は個々に備わっているものですが、特定の言葉の使い方(文法)によって人間の暴力的な本能を覚醒させるという一種の洗脳によって集団全体として発揮されるもので、ジェノサイドを導くものとして描かれています。これはナチスユダヤ人虐殺や日本の神風特攻にも重ねられるのではないでしょうか。言葉の持つ力を考えさせられますね。特定の文法や言葉が人を集団としてその性質を規定するという発想はR .ローティに繋がる部分もあったりして面白かったりしますね。(ローティは逆に感情教育を施しジェノサイドの撲滅を構想しているのですが、)単なるSF小説にとどまらない妙なリアリティさが病みつきになる一冊です。

 

 

 こんなところが今回の感想なんですが、SFの感想を書くということは難しいですね、、すごい読み終わった後は満足感や感動に浸っていたんですが、自分のそういったものを言語化できないと悲しくなりますね。まあ、何でもかんでも言葉で表せると思っていること自体が間違えではないかと思い始めたのですがどうなんでしょう。今日も最後まで読んでいただきありがとうございました😊最後は一言一人暮らし日記です。

 

一言一人暮らし日記:代わり映えのない毎日でそろそろ日記に書くネタない