独書は毒っしょ

読書の記録

独書日記6〜『ノルウェイの森』村上春樹〜

 

こんばんは!

最近は二日おきに激しいオンオフの差があり、そろそろ直そうかなと思い始めて今日は掃除を頑張ったうどくです。

 

 今日読んだ本は村上春樹ノルウェイの森です。村上春樹といえば現代の大文豪として有名ですが、私が初めて出会ったのはおそらく小学6年生の時に『色彩を持たな多崎つくると、彼の巡礼の年』という本を読んだ時です。とは言っても、当時は題名の長さに目を惹かれ作者が村上春樹とは知る由もなく読んでいました。しかし、当時から長く月日が経ってしまい曖昧ではありますが、とても面白かったと思った覚えがあります。(どこかで読み直してみたいものであります)そんな訳でなんとなく自分に作風はあってるんじゃないかと思いながら高校在学中にも何冊か読んでこれを読んでみようと思った次第です。

 

 ここから感想パートです!

 

 

 この物語は、(説明するのは難しいですが)主人公が二十歳辺りになるまでの人間関係の激動とそれが与える大きな喪失感とそこから立ち直ろうとするさまを描いたものです。結論から言うとこのブログを始めてからこの本に読んでいる時が一番夢中になりました。

 読み終わっての感想を村上春樹で言うなら、

「私はこの本を読んである意味では満たされある意味では満たされていない。だけどそんなことは実際はどうでもいいのかもしれない。」

と言ったところでしょう。

 満たされたと言うのはというのは登場人物の一人ひとりの人生哲学にあっと思わせられるようなところがあったり、自分には経験し得ないような人生を追体験できたということ。主人公の関わる人たちは少し普通とは異なっている部分があって、人生観や人に対する考え方を考え直すきっかけをもらえましたね。その中でも先輩の永沢さんが主人公に送った一言「自分に同情するな、自分に同情するのは下劣な人間のやることだ。」には皆さんも刺さるところがありるのではないでしょうか。(私は刺さりました。)また1900年代中盤から後半が舞台でしたが、学生運動が盛んであったり、タバコや酒に対する意識も全く違うというのも新鮮で面白かったです。

 満たされていないというのは少なくとも今の状況では読むべきではなかったと思ってしまったこと。今、多くの人は家にいることを強いられ人との関わりを遮断することを求められたり、或いは楽しみにしていたライブなどの娯楽、卒様式や入学式と言った晴れの舞台がなくなり大きな喪失感や虚無感に苛まれているのではないでしょうか。主人公は惰性で生きる人生に対する嫌気持ちながら、自ら命を絶った親友や心を病んでしまった愛する人へのやり切れない思いを抱きながら生きています。自分にどうすることもできないもの(ここでは「死」と「人の思い」が大きなものでありましたが)それを前にした時の無力感たるや、一人で背負えるものではありません。主人公の抱えるそれは私たちのものとは全く同じという訳にはいきませんが、確かに共鳴するものがあります。(それが一層私の感情を増幅させるんですが、、)

 しかし、そんなことを抜きにして、共感とは全く別の次元で心が揺さぶられ、本当にのめり込むことのできる作品で読書の楽しみをひしひしとかみしめながら読める一冊でした。また2つ感情が混ざった読んだ後の高揚感ともいえるフワフワした感じは長編の映画、或いは大自然の真ん中で圧倒された後の帰路の心情に似たものがあります。

 

 

 

 こんなところが今回の感想です。村上春樹作品はやはり肌に合うなあと思わされた大満足の一冊でした。他のおすすめの作品があったら教えてもらいたいです。ところで皆さんは本を読む時どんな体勢ですか?なかなか自分の中での正解が見つけられず悪戦苦闘しております。

今回もここまで読んでいただきありがとうございました😊最後は一言一人暮らし日記です。

 

一言一人暮らし日記:意識して一日一善、気を抜くと一日一膳